MY LIFE 2
―中学3年1学期 6月上旬―

陸上部としての三年間も終わり

受験まであとわずか、という時期になった。


僕はまだ受験という実感がわかず、昼休みに廊下をふらふら歩いていた

その時

「よ〜ぅ!ナガシマ!!」

ドンっと背中を押された。

振り返るとそこには・・・誰だ?って感じのニヤニヤした男と、通称トーテムポールと呼ばれる,のっぽでのっぺりとした顔の女子が立っていた。

「・・・?」

僕が『お前誰だ?』といった感じでその男をにらむと

「おぃおぃ、確かに話したこととかあんまねぇけどよ、その目はないんじゃないの?」

と男は言った。僕が怪訝そうな顔をして立っていると

その男の横に立っていたトーテムポールが

「あのさ、ナガシマ君って、ギターできるんでしょ?」

と問い掛けてきた、僕は『いや、できないよ』

と言おうとしたが、間髪いれずに ニヤニヤした男が

「友達がお前の部屋にギター置いてあるって言ってたもんな」

とトーテムポールにふった。トーテムポールはうなずいてこっちを見た。

僕は、案外みえっぱりな方なのだ。

いけないと思っていても、つい、見えを張ってしまう

「うん、できるよ」

・・・言ってしまった。

でもまだその時は、だからなんだといったふうに思っていたが

次のトーテムポールの一言により

状況が一変した。

「私たち、音楽祭でバンドをやろうと思ってるの。一緒にやろぅ?」

あせった。

できるといってしまった。

ここで断ったら、見えを張ったことがバレそうだ・・・

でもぶっちゃけ ほとんど全くできないし・・・

あぁ、でも・・・

3秒間、僕の頭の中で凄まじい討論が行われた結果

僕の口から出た言葉は

「もちろんいいよ!」

・・・だった。どうしよう・・・


その日、僕は学校を早退してギターの教本を買いに行った。

音楽祭当日に欠席、という手もあるのだが、

僕の性格上、それは許されることではなかった

本屋で教本を買った僕は急いで家に帰った

そして、部屋のすみでホコリを被ったギターを取り出すと

ホコリを取り除いてキレイにした。

早速教本を開き練習を始める

「cコード・・・は〜・・・えっとぉ・・・」

左手の指が思うように動いてくれない、上手く弦を抑えることができない

ネックが妙に太く感じる

ぎこちない指使いでなんとかCコードの手の形が作れたと思ったら

思うように音が出ない。

弦がしっかりと抑えられていないために、音が出ないのだ。

左手の指が弦を抑えてる様子を確認しながら

弦を上から一本一本ひいていく

音の出ていない弦を確認し

その弦を抑えている指に力を入れたり、抑えない開放弦に指がつかないように

指一本一本に神経をしゅうちゅうさせて形を作る

額に汗がにじんだ

そしてCコードに苦戦すること約1時間

ジャーン

まだ多少はぶれている音だが

それなりに聞ける音が部屋に響いた

そしてその音は僕の胸にも大きく響いた。

嬉しくて

嬉しくて顔がゆがんだ

ジャー――ン

もう一度ならしてみる

更に顔がゆがむ

ギターを買ったころの気持ちが返ってくるのを感じるのとともに

音楽祭でライブという突然で無謀な話も

できるかもしれないという気がしてきた・・・!

っしゃー!いっちょ頑張るかぁ!!!

まだ雑?w  最終更新日 7月16日




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